ふたりぼっちのリサイタル
(過去の日付に遡って投稿することがあります/最新投稿日の2~5個くらいが最新の投稿になっていることが多いです)
最初から嘘だった
2020.08.14 (Fri) | Category : 小話
一週間ごとに決められたお題をもとに小話を書く企画にゆるゆる参加しています。企画主さんから小話掲載の許可をいただいたのでこちらでも文章を載せておきます。
小説サイトといいながら文章らしいものをしばらく更新していないから…笑 書くのは嫌いじゃないんです。習慣にならないだけで。
お題は確かに恋だった様から。ありがとうございます。
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じりじりと焼き付ける日差しの音が聞こえるんじゃないかってくらい辺りは静かだった。焼けた君の肌に汗と涙が滲む。ごめんねと言ったら嘘に拍車をかけるような気がして何も言えなかった。
小説サイトといいながら文章らしいものをしばらく更新していないから…笑 書くのは嫌いじゃないんです。習慣にならないだけで。
お題は確かに恋だった様から。ありがとうございます。
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じりじりと焼き付ける日差しの音が聞こえるんじゃないかってくらい辺りは静かだった。焼けた君の肌に汗と涙が滲む。ごめんねと言ったら嘘に拍車をかけるような気がして何も言えなかった。
君は僕を鋭く睨む。その時多分、君と初めて目が合った。
「どうするのこれ」
知らないと返した声はあまりにも乾いていて、他人みたいで、自分から突き放したくせに僕は勝手におしまいを悟った。
今までのことはなんて解釈すればいいんだろうね。嘘で片付けばよかったんだけれど。
睨んでいたのはわずかな時間で、すぐに君は顔を逸らした。君はあんまり笑ったり怒ったりするのが上手じゃなかったけれど、君の言いたいことはよく解る。
「どうするのこれ」
知らないと返した声はあまりにも乾いていて、他人みたいで、自分から突き放したくせに僕は勝手におしまいを悟った。
今までのことはなんて解釈すればいいんだろうね。嘘で片付けばよかったんだけれど。
睨んでいたのはわずかな時間で、すぐに君は顔を逸らした。君はあんまり笑ったり怒ったりするのが上手じゃなかったけれど、君の言いたいことはよく解る。
意味のないたらればを頭の中で何度も繰り返しながら、僕も君に背を向けた。
偽りの関係は何にもならない。だから僕らの間に思い出はないし、別れなどあるはずがないのだ。
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