ふたりぼっちのリサイタル
(過去の日付に遡って投稿することがあります/最新投稿日の2~5個くらいが最新の投稿になっていることが多いです)
読書感想文:10
2013.03.12 (Tue) | Category : 本棚
敬称略、ネタバレ含む感想になります。続きを読むからどうぞ。
贖罪
湊かなえ
双葉文庫
小学生頃、一人の女の子が殺された。一緒に遊んでいた他の女の子たちは犯人の顔を見たにも関わらず誰一人覚えておらず、犯人は一向に捕まらないまま時効を迎えようとしていた。目撃者の女の子たちは事件と殺された女の子の母親に言われた言葉を忘れられないまま大人になって、新たな悲劇が始まる。
目撃者の女の子のオムニバス。『告白』のときもそうでしたが、事件のあとの被害者の周囲の感情を書くのがとても上手だと思います。湊さんは後味の悪い展開と救われない結末が売りだと勝手に解釈していますが、今回は幾分平和に、綺麗にまとまった最後だったなぁと。少ない登場人物の中に伏線を沢山滲ませて最後に綺麗に回収してくれてすっきりさせてくれます。最後の贖罪がなんとも言えません。ストーリーとしてはちょっとオーソドックスに異常な感じがしますが紗英ちゃんが好きです。最初の話だけ読んだときはこんな文章も書くんだなぁって思いました。
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